というわけでおもちゃエリアに飛ばしてみた。
「うーん猫乃はどこら辺に飛ばされたんやろ……。」
君はおもちゃエリアに飛ばされてすぐ猫乃がいないことに気づいた。
猫乃の霊力を感じるので同じエリアのどこかにいるということはわかったのだがとりあえずあたりを探索する事にした。
「しっかしまたけったいなエリアやなぁ。」
きょろきょろと辺りを見回しながら君は歩いている。
このエリアは一目見ただけでおもちゃがテーマとわかるような床や壁をしている。
そう床のタイルはプラスチックの光沢を持ついろんなシルエットが描かれた派手なパネルであるし、
壁もストライプ模様の派手な装飾の壁になっているのだ。
「んー。この向こう側から猫乃の気配がするなぁ。でも水場かぁ……飛び越えよ」
てくてくと歩いていくと君の目の前にはプールとしか良い様の無い水場が広がっていた。
深淵翼を使えば飛び越えて向こう岸に渡れるだろう。そう判断した君は霊力を込め翼を広げ浮かび上がった。
「って!んなー!?」
プールを3mほど進んだあたりで君は急に霊力が霧散しどっぱーんと派手な音を立ててプールに落ちてしまった!!
どうやらこのプールあたりでは空を飛ぶことが許されていないらしい。
「うぅ……。えらいめにって…なっなんや?」
プールの水を一気に吸い上げた服はぐにぐにと形を変えるとビニール質に変化し君の顔を除いてくまなく覆いつくした。
同時に色合いも変化し白と黒のツートンカラーに変った。
「ふぅ……。この水自体が変な罠なんか?」
水面に映る自分の姿を眺めながら君はため息をついた。
[装備変更:【冥装着】【退魔の鉢巻】は【オルカのバルーンスーツ】に変化した。
【オルカのバルーンスーツ】は呪われていて脱げない。]
君はスーツを脱ごうとしたが首元もがっちりと固定されている上に
手元もビニール風船のように簡略化されているために脱げそうに無い。
げんなりしながら先を進む事にした。
プールは見かけ以上に広くなかなか向こう岸へたどり着けない。
時々襲ってくるフロートのモンスターを倒しながらも君はぷかぷかと進む。
プールの真ん中あたりでは燦燦と日光が刺し君のまとうスーツをあぶっていく……。
「なっなっ!?」
しばらくするとスーツの空気が膨張し君の体は浮かび上がってしまった!!
君はわたわたと水面をもがくが抵抗むなしくふわふわと水面すれすれを漂うしかできない!!
エリアの魔力がどんどん君に溜まっていく……。
すると君はだんだん意識が薄れて深くも物を考えれなくなってしまった。
[ステート変更:【状態:朦朧】【状態:浮遊】【状態:魔力汚染】]
どんどん気持ちがよくなってきた君であったが全身の輪郭が淡く光ると……。
ボンッ!!という音とともに君はおもちゃのオルカフロートに変化してしまった!!
[ステート変更:【鈴華美影/人間♀.17/退魔師LV21】→【ミカゲ/おもちゃ.できたて/オルカフロート】]
おもちゃになった君はぷかぷかとにこやかにういている……。
おもちゃになった君はぷかぷかとにこやかにういている……。
おもちゃになった君はぷかぷかとにこやかにういている……。
おもちゃになった君はぷかぷかとにこやかにういている……。
おもちゃになった君はぷかぷかとにこやかにういている……。
君の体がプクーと膨れ上がるともにもにと形を変えていく。
「ぷはっ!なんやったんや一体……?まぁええか一泳ぎしよーっと」
オルカフロートをそのまま人間の形にしたような姿になった君はさっきまでのことなど忘れて気持ちよさそうに泳ぎだした。
このエリアの魔力は君を住人のトイモンに変えてしまったのだ。
君の頭の中は面白おかしく過ごすことしか考えれなくなってしまった。
[ステート変更:【ミカゲ/おもちゃ.できたて/オルカフロート】→【ミカゲ/トイモン.0/オルカフロートLV5】
【状態:全異常解除】]
一方少々時間をさかのぼって猫乃の様子……。
美影が飛び込んだプールの前で、入るかどうか悩んでいる。
「うーんこの先にねえ様の気配を感じるんだけど。プールに入らなきゃダメみたいですねぇ……。まぁ後で乾かせばいいですかね……?」
と意を決してプールに入ったちゃぷちゃぷと3メートルほど進むと美影の時と同じように服がビニールに変質し全身を飲み込んだ。
「うなー!?なんです一体!!」
[装備変更:【閃光装着】は【クジラのバルーンスーツ】に変化した。
「やっぱり嫌な予感がしたとおりでした。とほほ……」
ぷかぷかと水面を浮きながらぼやく猫乃。
気を取り直して不自由な体を動かして先に進むことにしたが……。
その行為が逆に自分の体にエリアの魔力を取り入れていることに気づいていないのであった……。
どうにかプールの真ん中あたりまでたどり着いた猫乃であったがちょうどそのとき体内の魔力汚染が飽和した!
体全体がぴかっと光るとボッシュウウウ!!という音と煙とともに猫乃の姿は変わり果ててしまった!!
[ステート変更:【鈴華猫乃/霊猫♀.16/退魔師LV12】→【ネコノ/トイモン♀.0/ホエールフロートLV0】]
「にゃぁぁぁん!?さすがにこんな格好いやですール!!」
ぼよんぼよんと全身を揺らしながら絶叫するネコノの姿は完全にクジラフロートのトイモンそのものであった。
「早くプールに上がって何とかしないとル……。」
美影を探す事をひとまず置いておいて元に戻る方法を探す事にしたネコノであったが……。
プールの水が流れるレーンに入ってしまいじたばたともがきながら流されていった!!
「にゃあん!にゃあん!!」
もがくほどネコノの体に魔力がしみこみ存在を確かなものに変えていく!!
ネコノのレベルが1上がった!
もがくほどネコノの体に魔力がしみこみ存在を確かなものに変えていく!!
ネコノのレベルが1上がった!
もがくほどネコノの体に魔力がしみこみ存在を確かなものに変えていく!!
ネコノのレベルが1上がった!
もがくほどネコノの体に魔力がしみこみ存在を確かなものに変えていく!!
ネコノのレベルが1上がった!
もがくほどネコノの体に魔力がしみこみ存在を確かなものに変えていく!!
ネコノのレベルが1上がった!
「あっあれ?体の自由が利いてきたル……?ってこの声なんですール!?」
気づくと水流に逆らって泳げるようになった事に気づいたネコノはつぶやいたが、自身から発せられた声に驚いた。
それもそのはず、鈴の音のような声は野太い瓶笛のような声に変ってしまったからだ!
このままでは、魂までトイモンになってしまうとあせるネコノであった……。
結局その後魂までトイモンに変りきった後にミカゲを見つけ二人仲良くフロートトイモンとして過ごしたのであった。
残念君たちの冒険はこれで終わってしまった。
全身がピチピチムニムニのバルーンスーツで覆われつつ、完全なおもちゃ化→トイモン化した美影さんと、先にトイモン化→じっくり完全なトイモン化した猫乃さんとで、2種類の異なる変化シチュが楽しかったです。
AということはBもありそうですね。
コメント毎度ありがとうございますー。 今回は別々に変えて見ましたー。
Aなのは同じようにトイモン化するシチュいくつかあったので目印にといった感じですう
あららら、プール自体が罠同然だっただなんて・・・いやただの 魔力の集まりかも。
そしてどちらもすべて可愛い姿でぼくは満足だ^ ^ 針に当たらないようにね。
Aということは、また違う時間線のみかげたちが・・・
どうもー! エリアの中でも特に魔力がたまりやすい場所だったようですはい。
イラストの時点で大好きでしたが、文字がついてもっと好きになりました……!!
抵抗できずにぷかぷか浮いている内にどんどん心まで侵食されるの、いいですねぇ……丹念に描写されるシークエンス、とっても素敵でしたー!!
ありがとうございますー! こうぷわぷわしたおもちゃの魔物になりたいですよね……。 ・x・