ミカゲィトG 猫乃はレトロイドになった。

たまには猫乃単発で

「うーんねぇさまはどの辺りに飛ばされちゃったんだろう……。」

虹水晶による転送がおわりエリアに侵入した衝撃で猫乃は
姉である美影とはぐれてしまい機械でできたフィールドをとことこと歩いていた。
すでに数回似たようなエリアに飛ばされた事もあるため取り乱す事は無かったがやはり一人では不安が残るのか
耳とシッポをピコピコ動かしながら美影の霊力を探していた。
なんとなく同じエリアにいるということだけは感じ取れた猫乃はこのエリアの情報収集をするべく
街の明かりのするほうへと向かった……。

街にたどり着いたがしかし看板や行きかう人々の言葉は理解できないために猫乃は中央ブロックの噴水に腰掛けて途方にくれていた。
すると街人らしきロボットがあからさまに警備ロボットのようなものを引き連れて現れた!

「えっとなんでしょうか……。ううむ言葉が通じないと敵意とかがない事もつたえれないです……。」

電子音でまくし立てられた猫乃は、これらのロボットが街に入った自分を警戒しているということは理解できたが自分が無害であることを伝えるすべがなく
戸惑っていた。

「ピペペペポポ!!」

と警備ロボットが叫ぶとビリッという強烈な刺激とともに猫乃は気を失い倒れてしまった。

「ペペペポピポ」
「ピプープポポ」

ロボットたちは猫乃をワイヤーでしばりあげると呼び寄せた運搬ロボットに背負わせてまた警邏に戻っていった。
一方運搬ロボットはワイヤーでしばられた猫乃をとっとこと工場らしき場所に運んだ。

気を失っている猫乃のワイヤーを解き鉄製のベッドに載せると運搬ロボットはまた表に出て行った……。

 「んっ……」

とうめき声を上げる猫乃のところにまた別のロボットが現れるとベッド脇の装置を操作する。
するとどうだろうか、がしゃんとベッドにカバーが展開されるとコンソールにワイヤーフレームで猫乃の体格が表示された。
それを確認しながらロボットは装置を操作し作業を進める。

カバーの中で猫乃は銀色の液体に漬け込まれる形になった。
コンソールのワイヤーフレームの絵が書き換わっていくと同時に銀の液体は猫乃の体にしみこみうぞうぞと形を変えていく。
銀色の塊になった猫乃はコンソールに表示されているとおりの姿に形を変えていく。
全体的に肉があるもののメリハリのある体はどんどんどっちゃりとした洋ナシ体型に、頭を飾る猫耳も円筒状に変った。
またその柔和な顔にも変化が及び髪はヘルメットのようにまとまり鼻もどんどん伸びていく。
さらにはずんぐりむっくりになった体から伸びる手足もメリハリの少ない円筒状に変っていった。

「うっ…にゃっ…キホンぷろぐらむ?いんすとーる開始……」

一方変化は猫乃の失っている記憶などにも及んでいった。
ぼんやりとした意識の中で、さっきまでまったく読めなかった文字が理解できるようになっていった。
それもそのはず銀色の液体は生物を機械に置換するナノマシンだったのだ!
ナノマシンはあらかた体を作り変えた後記憶を読み取りながらエリアの住人にふさわしいようにプログラムをインストールしたり
記憶の一部を都合の良いように書き換えていったのだ。

ガコンプシュー!とベッドのカバーが開くとそこにはどこと無く猫乃の面影を残したゾウのようなロボットが横たわっていた。
耳は緑の回転灯に、にょろっと長くのびた鼻は蛇腹ホースになり先端にはアームが付いている。
どっしりとした体の中ではエンジンがぎゅんぎゅんとうなりをあげ有り余るパワーをもてあましていた。
腕もショベルカーのバケットのような形に変り足もその重量級の体を支えるしっかりとした作りのクローラー付きに変っていた。
体のところどころには黄色と黒のストライプ模様が施されており、重機であることを強調している。

 

猫乃重機レボットA

 

 

 

「ジューキロイドS3型 コノン023きどうシマス。」

 

 

ベッドから身を起こした猫乃いやコノン023は起動メッセージを読み上げた。
改造を担当していたロボットはかるくエリアについて説明すると、コノン023に選別としてのいくばかのクレジットと建築現場への斡旋状を渡し工場から送り出した。

「ええと私は……たしか……ねぇさまを探して……うーんでもその前に路銀が必要ですし斡旋されたお仕事をこなしましょう。
それからでも遅くないですよね……」

と自分で納得すると街中へ準備に向かったのであった……。


ステート変更
【鈴華猫乃/霊猫♀.16/退魔師LV43】→【コノン023/レボット♀.0/ジューキロイド-LV5】
【装備;全解除】→【ヘッド:エレファンメット】【ボディ:JK-S3】【エンジン:パワードG】【アーム:バケットアーム】【レッグ:クローラーレッグ】【アクセサリ:パワードセルL】【アクセサリ:アラートライト】

 


解説

【種族:レボット】複数存在するロボット専用のエリアのひとつに暮らす主要種族の一種。
基本的に高性能かつ頑丈であるが拡張性に乏しく大幅な機種変更を行うとLVが下がってしまう。
また他のエリアにそのまま移動してしまうと存在が固定されてしまうためにエリア離脱までに他の種族にどうにか変更しないと面倒な事になる。

【装備:コア】レボットのコアユニット。これが無事であるならボディは大破しても問題が無いただしレボットの規格ボディ以外は適応しない。

【クラス:ジューキロイド】機械種族専用のクラス。重機としての行動を一通りプログラミングされている。戦闘行動も自衛のために最低限のスキルがあるが主に重労働による資金稼ぎ向き。

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ミカゲィトG 猫乃はレトロイドになった。 への2件のフィードバック

  1. MT のコメント:

    どっしりした体型が重機らしく、丸みを帯びているのがかわいらしくもありますね。
    頭が象みたいなのも、機械としての「効率の良さ、合理的」な感じがします。
    いくらかのクレジットくれたり仕事斡旋してくれたり、意外と他のレボットも優しいんでしょうかね、生命体を捕えて機械化しているのはあれですが。
    文章も楽しかったです、特にステート変化が毎回面白くて好きです。

    • suiran1219 のコメント:

      ご丁寧にありがとうございますー。クレジットは機械に変換した時の装備やアイテムが邪魔なものとしてまとめて換金されて排出した感じですねー。
      猫乃がつかまったのも不法滞在者としてだったのでレボットに改造後に職場の斡旋をしてもらえたのです。(あのエリアでは何かしらの仕事に就いていない物は処分されてしまうので。

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